
なったからこそ分かる、当時の気持ち。
はじめに

場面緘黙とは、家族など特定の人以外の前では声を出せなくなってしまうことです。
緘動(思ったように自分の身体を動かせなくなってしまう状態)を同時に伴うことがあります。
場面緘黙の人はわざと話さないのではなく、話したくても話すことができません。
最近ではニュースやドラマでみかけることもあり、ご存知の方も増えてきたのではないでしょうか。
このページでは、私が場面緘黙だったころのことをお伝えします。
私が場面緘黙だったころ
場面緘黙になった原因について

多分ですが、原因はいじめです。中学校に入学してから、同級生に話し方をからかわれたり容姿を批判されるようになりました。
「話すと笑われるなら、話さないでやろう」と思い行動していた結果、喋れなくなったような気がします。もともとの頑固な性格が一因となったかもしれません。
正直なところ、原因については思い返してみてもはっきりとしません。
もともとの性格や不安を感じやすい性質に、運悪く環境がハマってしまったのだと思います。
学校ではどうだった?

先生に指名されても答えることができないので、どの授業もとても緊張していました。
緘動がつよく出ると、頭の上げ下げにも多くのエネルギーをつかいます。そのため、黒板を見るのもノートをとるのも一苦労。
授業に集中できず、勉強の効率はとても悪かったです。
緘動がつよく出ている日は、休み時間も動けませんでした。朝登校してから下校するまで、ずっと自分の席に座っていたこともあります。
よくエコノミークラス症候群にならなかったと、思い返して安堵するくらいです。
心理的な負担と同時に身体的な負担も大きく、学校に気持ちの落ち着く場所はありませんでした。
現在は

大人になるにつれて、だんだんと声を出せるようになっていきました。
声を出せるようになった理由としては、大学を地元から離れた場所にしたことが大きかったかもしれません。
自分を知っている人がいないという環境が、安心感につながったのだと思います。
いつ起こるかわからないので不安はありますが、あれだけ苦しんだ緘動にも長い間なっていません。
実は、最近TOEICを受験しました。緘動が出ない状態で試験を受けられたのは、十数年ぶり。勉強の成果を発揮できて、とても嬉しかったです。
ただ、大人になった今も電話対応や接客業はむずかしい。悲しいですが、場面緘黙の後遺症のような生きづらさを感じる場面は多々あります。
場面緘黙がよくなったとしても、そうであった過去に付随するしんどさはこれからも感じるんだと思います。
その実感が、場面緘黙が大人になってから直面する後遺症なのかもしれません。
「場面緘黙は大人になれば自然に治る」と聞いたことがある人は多いかもしれません。これに関しては、私の場合『半分正解で半分不正解』といった感じです。
特に大人になって思うこと

正直に言うと、『場面緘黙だったから、得ることができなかった部分』はあると思っています。
人に気楽に話しかけたり、世間話を楽しんだり。そういったことを一切してこなかった分の差を感じることはありますね。
ただ、これは大人になってからでも身につけられることのはず。そう思って、少しずつ練習しながら、周りとの差を埋められるように頑張っているところです。
場面緘黙だった当時、されて嬉しかった3つの対応

場面緘黙だった当時、相手を困らせているなと感じることが度々ありました。
ここからは、当時は言えなかった「こうしてほしかった」「こうしてもらえて嬉しかった」と感じた対応を3つ紹介します。
いま場面緘黙の人との関わり方に悩んでいる方の、参考になったら嬉しいです。
①「うん」か「いいえ」で返せる質問をしてくれる
声で返事をしなくていいと気持ち的な負担が大幅に減ります。
イエスかノーで答えられる質問なら、首を振ることで意思表示ができて助かりました。
「あなたは喋れないからこれでいいよね」という対応をされることも多かったので、私の意見を聞いてくれることは嬉しかったです。
②声を出したとき大げさに反応しない
いつも話さない人が話すと嬉しくてつい反応してしまう気持ちは、今ならわかります。
ただ、私が声を出すか面白半分でからかってくる人を相手にすることもあったため、反応しない人の方が安心して対応できました。
③無理に話させようとしない

私が話すまで目の前で長時間待たれた経験がありますが、トラウマになるくらい辛かったです。
「場面緘黙をなくすためには無理にでも話させることが必要だ」という情報を見かけることがありますが、もしその必要があったとしてもそれは専門家の下で慎重に行うこと。
しんどい思いをさせられただけだったので、専門家ではない人は真似されない方がいいと強く思います。
もう、私と同じような思いをする人を増やしたくはありません。
もっと場面緘黙について知りたい方へ

かんもくネットを是非のぞいてみてください。
場面緘黙のことが気になっている人にとって有益な情報が載っていると思います。
私は大学生の時に初めてこのサイトを訪問。こういう状態になるのは私だけではないのだと知って、とても安心したことを覚えています。
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まとめ

私が場面緘黙だったころのことをお伝えしました。
場面緘黙の後遺症のようなものは今でもありますが、場面緘黙だった当時の感覚は忘れ始めてきたような気がします。
忘れないうちに書いておくことにしました。
場面緘黙の状態は人それぞれ。なので、今回は自分の経験を述べるだけにとどめています。
私の個人的な意見ではありますが、よければ参考にしてみてください。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
ここでオススメを1つ。
『放課後カルテ』場面緘黙がリアルに描かれていると初めて感じたドラマの原作です。
場面緘黙のお話は8巻に登場します。
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